はじめまして、今駒ちひろと申します。
六女・文代、そして母・みちるを演じさせて頂きます。

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七人姉妹のお話です、おんなが七人ってすごいですよね。
三人姉妹でも、若草物語でもなく、
七本の色鉛筆。

本公演の惹句にも、イメージヴィジュアルにも印象的に登場する、《月》。

その存在については、劇中にて、のねもとさん演じる次女・菊さんが語ってくださいますので、個人的な話を。

稽古であたまが一杯一杯になり、スタジオに缶詰でお稽古していると、外の気温や空気に鈍感になってきて、お稽古始まったばかりの頃、大事にしようと思っていたお月様を見上げることも、少なくなっていた頃。
「きょう十三夜なんですって」という稽古場での話題にはっとして、見上げたら、みごとな月でした。

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いつもあるはずのお月様を、綺麗な時ばっかり話題にして見上げる、現金な自分がちょっと恥ずかしくなりました。

その晩、お月様を見上げながら帰っていたら、幼稚園の頃の自分を思い出しました。

夕方に家の近くをかけまわっていたら、のぼっている月と反対方向に走っても走っても、ずっと月が変わらず同じにみえることに気がついた4歳の私。
家に帰って「お母さんあのね、お月様がずっと私の後ろをついてくるの」と話すと、
母は「お月様はちぃちゃんの事が好きなのね」と言うので、調子に乗った事がありました。
半端なくベタなエピソード。

無邪気だったなあ。
身体が小さくて、世界は大きくて、知らないことばかりで、車もごはんも草も木も月も、
過去も未来もなく、常識なんてものもなく、見えたものに対して、見えた通りに受け入れていたなあ。

今回演じさせていただきます喜多家七姉妹の六女・文代という女性、そして同時に演じます、母親・みちるという女性は、共にどこか、そんなようなピュアリティを感じる二人です。
しかし大人になるとただの無邪気ではいられません、暮らしの疲れが積み重なる中で、彼女たちが世の中をどう見るのか、そんな時間を、瞬間を、時代を超えて、いまを生きるお客様と共有できたらと思います。

さて次は、私の役にとってとても重要な存在の…田所役、
福原龍彦さん です!
冬山登山の装備で小屋入りの、アウトドアガチ勢でいらっしゃいます。
田所さんを劇中で登場させない同盟 をみな子姉さん役 松葉さんと結んでおりますが、今のところ全敗であります。鋼鉄。
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(写真:四女・まり役 難波なうさん撮影から拝借)


では福原さん、お願いします。
もう少しで開幕。
七本の色鉛筆がみなさまと劇場でお会いできることを、楽しみにしております!
今駒ちひろ