演出アドバイザーとしてこの公演に関わっている上田です。

この戯曲「七本の色鉛筆」には、最初に次のような指定の前書きがあります。

この劇は、昭和二十年夏の日本の敗戦すこし前から、現在(上演される年)にまたがる。
、、、

ああ、そう書いてあるし、そう書かれてしまっている。
つまり、この劇は、昭和二十年夏の日本の敗戦すこし前から、現在(平成三十年)にまたがっているのです。

なんだか、そわそわしてきませんか?

平成が終わろうとして、昭和は遠くなったことが実感される今日です。
皮肉な時代、先の見えない時代、そのような現在と、遠くなってしまった昭和は、この劇で、どのようにつながっているでしょうか。

ここに過去から現在にわたる、私たちの悲喜劇を見つけていただけたら幸いです。