はじめまして。難波なうこと四女 まりと申します。生れは東京、歳は14でございます。自分の紹介といっても、大した話もなくお恥ずかしいのですが、強いていうなれば、私には6人の姉妹がおります。全員が女の7人姉妹の中、私は4番目にこの世にご挨拶致した次第です。既に長女、次女、三女のご挨拶が済んでいるようですが、いかがでしょうか。ぎろりとした眼(まなこ)で私たちをいつも監視している長女・恵子姉さん、いつも輪の一歩外を歩きたがる次女・菊さん(本当は私たちとお喋りしたいんですよう)、お転婆が溢れ出す三女・みなこちゃん。お三方とも私の自慢の姉さん方です。ええ、本当に。

妹は3人。体の弱い五女・明子ちゃん、この子はどうも幼い頃から私のことを恐れているみたい。明子ちゃんのことを叱ったことは無論、却って(かえって)手を引いて歩いてあげたはずなのに、不思議な子です。六女・七女は双生児(ふたご)で、文代ちゃん・巴絵ちゃん。双子の妹が家に来た時のことは今でもよおく覚えています。とってもとっても嬉しかったもので、家の中を駆け回ったり頬ずりしたり、歌を歌ったり。なんという歌であったかは、恵子姉さんに聞いてくださいな。まだ草木と戯れているだけで面白がっている双生児ですが、何と無しに、私は、二人の間に差別をしてしまうときがあります。これは私が各々を分析する力に長けているからなのか、一つの人間を二つに割ったのだから同じでなければならないという思い込みからなのかはわかりません。10年後の私には、それを見抜く力がついていることを期待致します。

自己紹介と言ってこんなにも長く姉妹の話をしてしまいました。私にとっての姉妹は、自分の紹介よりも先にしなければいけない人たちのようです。このような拙い文章を綴ってなんの意味があるのかわかりませんが、次は明子ちゃんが何か喋りたいようですので、仕方なし、ここで終わりにしたいと思います。では、御機嫌よう。