松田正隆氏 「蝶のやうな私の郷愁」
台本の一番最後のページには、

題名は、三好達治さんの詩集「測量船」のなかの「郷愁」から引用した、と一筆がある。
1ページの真ん中に、ポツンと一筆。


三好達治「郷愁」
蝶のような私の郷愁!
蝶はいくつか籬を越え、午後の街角に海を見る……。
私は壁に凭れる。隣の部屋で二時が打つ。
-海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる。
そして母よ、仏蘭西人の言葉では、あなたの中に海がある。



嗚呼、母!母、母、母……。
何処の空から海を眺めん